愛犬のお手入れには欠かせないブラシですが、犬種や毛の長さや量によって使い分けることが大切です。
今回は有名な犬用ブラシ7種類の使い方だけでなく、それぞれのブラシがどの犬種に最適なのかも紹介します。
ミックス犬や記事で紹介出来ていない犬種でも、毛の長さ&コート別に最適なブラシを解説していますのでご安心ください。
ぜひ、愛犬に合ったブラシ選びに役立てていただければと思います!
- 犬種別におすすめブラシを紹介
- 毛の長さやコートによるブラシの使い分け
- 毛の長さ&コート別のお手入れ頻度
- 紹介するブラシそれぞれの正しいブラシの使い方
愛犬のブラシ選びに迷っている方、正しい使い方を知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
代表的なブラシの種類は7種類!この中から愛犬に合ったブラシを選ぶ
代表的なブラシは、以下の7種類のブラシになります。
※すべてのブラシを購入・使用する必要はありません。愛犬の毛質によって必要なブラシ・不要なブラシがあります。
どのブラシにもそれぞれの特徴があり、犬種や毛の長さ、量によって使い分けが大切です。
7種類のブラシのうち、愛犬に合うブラシはどれかを見ていきましょう。
愛犬に合うブラシは毛の長さ&コートで変わる
ブラシ選びではまず最初に、
- 愛犬の毛の長さ
- コートの種類
を知ることが大切です。
①愛犬の毛の長さを知る:短毛種・長毛種・ワイヤーヘアーとは?違いを簡単に説明!
まずは、毛の長さについてですが、大きく分けて短毛種・長毛種・ワイヤーヘアーに分類できます。
愛犬の毛の長さがわかったら、次にコートの種類はどれにあたるのか見ていきましょう!
②コートの種類はシングルコートとダブルコートがある!違いを簡単に説明!
コートの種類は大きく分けて2種類(シングルコートとダブルコート)に分類できます。
コートに毛の長さは関係なく、毛の層が1層(シングル)か2層(ダブル)かの違いになります。
ダブルコートの犬種は下毛(アンダーコート)を持つため、寒さに強く換毛期があります。
シングルコートの犬種は下毛(アンダーコート)がないため、抜け毛が少ないのが特徴です。
また、犬種によってはシングルコートとダブルコート両方が存在する犬種(例:パピヨン)がいます。
コートがどちらかわからない・・・そんなときの見分け方
コートの見分け方としては、
- 換毛期がある(特に春と秋にはよく抜ける)
- 毛をかき分けたときに綿毛のような毛が存在する
があります。
ミックス犬の場合は上記の見分け方を参考にして、どちらのコートなのか知っておくとブラシ選びに役立ちますよ!
全5パターン!愛犬に合うブラシが簡単にわかるチャート
今回は、日常的に使用する場合に揃えておいてほしいブラシを、毛の長さ(短毛種・長毛種)とコート(シングルコート・ダブルコート)によって分類してみました。
毛の長さ×コート別:お手入れの頻度と必要なブラシについての詳細解説
短毛種×シングルコートにおすすめのブラシとお手入れ頻度
短毛種×シングルコートにおすすめのブラシは以下の2つです。
- ラバーブラシ
- 獣毛ブラシ
短毛種×シングルコートのわんちゃんは、抜け毛もほとんどなく、スリッカーブラシやファーミネーターは皮膚を傷めてしままうため必要ありません。
普段のお手入れはラバーブラシで週1回程度のお手入れで十分です。
フケが気になる場合などは、獣毛ブラシをかけてあげるとフケをとると同時に毛にツヤを出すことができます。
獣毛ブラシは柔らかめな獣毛(馬の尾の毛など)を選ぶようにしましょう。
短毛種×シングルコートの犬種例:ミニチュアピンシャー・イタリアングレーハウンド・バセンジー・グレートデンなど
短毛種×ダブルコートにおすすめのブラシとお手入れ頻度
短毛種×ダブルコートにおすすめのブラシは以下の3つです。
- ラバーブラシ
- 獣毛ブラシ
- ファーミネーター
普段のお手入れは週に2~3回程度ラバーブラシを使ってブラッシングし、最後に獣毛ブラシで毛のツヤを出してあげるとツヤツヤピカピカになります。
ただし、換毛期などの毛が抜ける時期はブラッシングを増やしましょう。
短毛種×ダブルコートのわんちゃんは、毛は短いですが抜け毛が多いためファーミネーターが便利です。
換毛期の時期(春と秋)は抜け毛が普段よりも多くなるため、この時期は普段のお手入れ+ファーミネーターがおすすめです。
短毛種×ダブルコートの犬種例:柴犬・パグ・フレンチブルドッグ・ウェルシュコーギー・ラブラドールレトリーバーなど
長毛種×シングルコートにおすすめのブラシとお手入れ頻度
長毛種×シングルコートにおすすめのブラシは以下の3つです。
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- コーム
長毛種×シングルコートのわんちゃんは抜け毛が少なく、アンダーコートがないためファーミネーターなどの抜け毛処理ブラシは不要です。
普段のお手入れは週に3~4回程度、ピンブラシやコームを使って毛玉が出来ないようにブラッシングしてあげましょう。
抜け毛は少ないですが、長毛なためもつれや毛玉できやすいです。
もし毛玉やもつれが出来てしまった場合は、スリッカーブラシを使用します。
また、毛が縮れてきたときもスリッカーブラシで伸ばせますよ!
長毛種×シングルコートの犬種例:マルチーズ・トイプードル・ヨークシャーテリアなど
長毛種×ダブルコートにおすすめのブラシとお手入れ頻度
長毛種×ダブルコートにおすすめのブラシは以下の4つです。
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- コーム
- ファーミネーター
普段のお手入れはピンブラシとコームで大丈夫ですが、ダブルコートは抜け毛が多い犬種がほとんどです。
また、もつれや毛玉が出来てしまったときはスリッカーブラシが便利です。
ブラッシングの頻度は最低でも週に3~4回、換毛期などの抜け毛がひどい時期はわんちゃんが嫌がらない程度に毎日でも構いません。
長毛種×ダブルコートの犬種例:ダックスフンド(ロングコート)・ポメラニアン・ミニチュアシュナウザー・シーズー・ボーダーコリー・ゴールデンレトリーバー・サモエドなど
ワイヤーヘアーにおすすめのブラシとお手入れ頻度
ワイヤーヘアーにおすすめのブラシは以下の2つです。
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
ワイヤーヘアーはダブルコートですが、長毛種×ダブルコートと比べると抜け毛は比較的少なめです。
ですが、換毛期もありますし全く抜けないわけではないため、週に2~3回ぐらいはコミュニケーションも兼ねてのブラッシングをおすすめします。
また、ワイヤーヘアーは独特なかたい毛質を維持するために、プラッキングという毛を抜くトリミング方法があります。
最近ではプラッキングせずにバリカンで刈っちゃう方もいますが、本来はプラッキングをしてかたい毛質を維持します。
プラッキングは専用のナイフを使っておこないますが、自分でするのはなかなか難しいです。
技術が必要なため、トリマーさんにお願いするのが最適です。
ワイヤーヘアーの犬種例:ダックスフンド(ワイヤーヘアー)・ワイヤーフォックステリア・エアデールテリア・ジャックラッセルテリア(ワイヤーヘアー)など
7種類のブラシの特徴・使い方を紹介
7種類のブラシについて解説します。
①ラバーブラシ
- 短毛種×シングルコート
- 短毛種×ダブルコート
ゴムやシリコンで出来ているブラシで、ブラシの凹凸部分が柔らかくマッサージ効果があるブラシです。
皮膚を傷つける心配がほとんどなく扱いやすいブラシで、毛の少ない犬種(ヘアレスドッグ)や短毛種、皮膚が弱くなるべくブラシによる刺激を与えたくないわんちゃんに特におすすめです。
ラバーブラシの使い方
ラバーブラシは、毛の流れに沿って体をなでるように使用します。
力を入れる必要はなく、あくまでラバーブラシを使って体をマッサージしてあげるイメージです。
また、ラバーブラシは素材がゴムやシリコンのため、入浴(シャンプー)中でも使用できます。
シャンプー中にラバーブラシで軽く体をマッサージしてあげることもおすすめです。
②スリッカーブラシ
- 長毛種×シングルコート
- 長毛種×ダブルコート
- ワイヤーヘアー
ゴムのクッション部分に無数のくの字に曲がったピンを植えたブラシです。
犬のブラシと言えばスリッカーブラシのイメージが強く、主に長毛種に使用します。
日頃のブラッシングからもつれをほどいたりと万能なブラシですが、力を入れすぎると皮膚に傷がつきやすく扱いには注意が必要です。
スリッカーブラシの使い方
スリッカーブラシは、柄の部分を親指と人差し指でえんぴつを持つように持ちます。
毛の流れに沿ってブラシをかけますが、このとき柄の方向に向かって一定に動かしてください。
毛の根元・皮膚に近い部分は、皮膚を傷めやすいので力加減を特に注意して、なでるようにときましょう。
もつれている部分はつい力が入ってしまいますが、皮膚に近い部分を左手で持ち、スリッカーブラシが皮膚に直接当たらないようにして、毛玉の毛先の方からスリッカーブラシを色んな方向に入れながら徐々にほぐしていきます。
スリッカーブラシはピンが細く皮膚への刺激が強くなりがちなので、同じ部分を何回もブラッシングしたり、皮膚や骨の浮き出ている部分や筋肉の盛り上がった場所は特に擦過傷(さっかしょう)になりやすいため注意が必要です。
③コーム
- 長毛種×シングルコート
- 長毛種×ダブルコート
- ワイヤーヘアー
金属製やステンレス製などの材質で、一本の峰に細長いピンが一直線に植えられているものをコームと言います。
コームはトリミング(カット)の際に使用したり、毛を仕上げに整えるときに使用します。
コームの使い方
コームは、他のブラシでブラッシングしたあとに、最後に毛を整えるときに毛の流れにそって使用します。
また、トリミング(カット)する場合に、ハサミを使用しながら毛を立たせたり整えたりする場合にも使用します。
コーム自体は抜け毛を除去したり、毛玉をとるなどの効果はなく、あくまで最後に毛が絡まったり、もつれていないかのチェックに使用することが多いブラシになります。
④ピンブラシ
- 長毛種×シングルコート
- 長毛種×ダブルコート
柄(グリップ)のあるブラシで、ゴムのクッション部分にピンが植えられています。
スリッカーブラシとよく似ていますが、ピンブラシの方がピン同士の間隔が広くピン自体も長いピンが生えています。
毛が切れにくく長毛種に適しているブラシで、初心者でも扱いやすいですが毛玉やもつれをとる作業は苦手です。
ピンブラシの使い方
ピンブラシの持ち方は、親指と人差し指、中指の3本で持ち、残りの指は軽くそえる程度に持ちます。
手首の力を抜き、手首のスナップを利用して優しくブラシをかけます。
ピンブラシはスリッカーブラシよりも毛や皮膚に対して刺激が少ないため、長毛種の普段のお手入れにはピンブラシが最適ですが、抜け毛をとったり、すでにあるもつれや絡まった毛を取り除くことは苦手なブラシです。
普段はもつれや絡まり予防のためにピンブラシでブラッシングおこない、もつれが出来てしまった場合はスリッカーブラシなどのもつれを除去することが得意なブラシを使用するなどして、上手に使い分けましょう。
⑤獣毛ブラシ
- 短毛種×シングルコート
- 短毛種×ダブルコート
※長毛種にも使用可能
動物の毛で作ってあるブラシです。馬の尾の毛や豚や猪の毛を使用して作られている場合が多いです。
短毛種~長毛種、全ての犬種に適しており、ツヤを出すために使用します。
獣毛ブラシの使い方
獣毛ブラシは、抜け毛を除去する効果はほとんどなく、獣毛に含まれる油分によって毛にツヤを出すブラシになります。
そのため、最後の仕上げに毛の長れに沿って獣毛ブラシを丁寧に数回かけます。
⑥ファーミネーター
- 短毛種×ダブルコート
- 長毛種×ダブルコート
ファーミネーターはアンダーコートの不要になった毛を処理するブラシです。
そのため、シングルコートの犬種に使用しても効果がありません。
簡単に抜け毛を集めることができるので最近はとても人気があるブラシです。
ファーミネーターは短毛種用と長毛種用がありますが、違いはクシ部分の長さです。
ブラシの大きさも小型犬用・中型犬用・大型犬用と分かれていますので愛犬に合ったサイズを選びましょう。
ファーミネーターの使い方
ファーミネーターは抜け毛(アンダーコート)の処理に特化したブラシですが、もつれがあるまま使用してしまうと毛が引っかかってしまい、わんちゃんが痛がったり、上手くブラシをかけられません
まずはもつれがないか確認して、もつれがある場合はスリッカーブラシなどで先にもつれを取り除いておきましょう。
力を入れてブラッシングしてしまうと皮膚を傷めてしまいますので、優しくブラッシングします
背骨などの骨がゴツゴツしている部分は痛がることがあるため、当たらないように注意しましょう。
優しくかけるだけで、結構ごっそりと抜け毛がとれます。
⑦ノミ取りクシ
- ノミがいる可能性があるわんちゃん
※毛の種類は関係なし
ノミ取りクシは、その名の通りノミをとるためのブラシです。
コームと同じ形状ですが、ノミが引っかかるように非常に密にピンが並んでいます。
最近はフロントラインやネクスガードなどのノミの予防・駆除薬が
普及し、きちんと毎月予防されている方も多いと思います。
その場合はほとんどノミを見かけないと思うので、ノミ取りクシを
購入する必要はありません。
ノミ取りクシの使い方
ノミ取りクシは、毛の流れに沿って力を入れずに優しくかけます。
ノミが引っかかるようにとても目が細かいブラシになっていますが、ノミを捕獲する構造にはなっていないため、もしノミがブラシに引っかかった場合は逃げないように指で捕まえてください。
※捕まえたノミがメスの場合は潰すとノミの卵が飛び散ってしまうことがあるので、水の中に少し食器用洗剤を混ぜて、そこにノミを沈めて潰さずにやっつける方法がおすすめです。
こうすることで、またノミに感染するリスクを少しでも減らすことができます。
もしノミを見つけたら、ノミの駆虫薬を使いましょう。
有名なものにはフロントラインプラスやネクスガードなどがあります。
まとめ:ブラシは愛犬の被毛のタイプによって使い分ける
愛犬に最適なブラシは見つかりましたか?
どのブラシも特徴が異なり、毛の長さとコートの種類によって愛犬に最適なブラシは変わります。
最適なブラシで愛犬のブラッシングをしてあげることで、毛ヅヤがよくなったり、毛や皮膚のコンディションを整えることにつながります。
ぜひわんちゃんとのコミュニケーションをとりながら、楽しくブラッシングしてくださいね。