犬を飼ったら、避妊手術や去勢手術を動物病院やペットショップからおすすめされることも多いと思います。
健康なのに手術なんてかわいそう・・・本当に必要なの?
避妊手術が必要かどうかは、飼い主さんの考え方や目的によって必要かどうか判断することになります。動物病院やペットショップがおすすめするからといって、必ずしないといけないというわけではありません。
この記事では、避妊手術をすることによるメリットとデメリットや我が家が避妊手術を選んだ理由、そして実際に避妊手術をした時期やかかった費用についてもご紹介しています。
- 女の子のわんちゃんで、避妊手術をするか悩んでいる
- ゴールデンレトリーバーの避妊手術の費用はいくらか知りたい人
- 実際に避妊手術をしてどうだったか体験談を聞きたい人
今回は、私テディ(ゴールデンレトリーバー)の避妊手術について、手術を決めた理由や当日の流れなども紹介していますわん。
良ければ読んで下さい!
避妊手術について
避妊手術は、女の子のわんちゃんの子宮と卵巣を摘出する手術のことです。
この手術は、お腹を開いての手術になりますので全身麻酔になります。
手術時間はだいたい30分ぐらいです。
避妊手術をするとどうなるの?
後ほどメリット・デメリットの項目で詳しく説明しますが、避妊手術を行うことで色んな体の変化が起こります。
- 子宮と卵巣がなくなるので、妊娠できなくなります
- ヒート(生理)や発情がこなくなります
- 偽妊娠の症状をなくすことができます
- 乳腺などの病気を予防できる場合があります
- 太りやすくなります
費用はいくらかかった?
我が家で実際にかかった避妊手術の金額は77000円でした。
※この金額は、避妊手術自体の費用のほかにも以下の金額も含まれています。
- 事前に手術のためにおこなった血液検査
- 術後の痛み止めの注射
- 自宅で飲ませる6日分の化膿止めの内服薬
- 入院費(一泊)
我が家の避妊手術したときの体重や年齢は以下の通りです↓
避妊手術の費用(77000円)以外にも、エリザベスウェア代5640円と抜糸のときの診察代1000円がかかりました。
手術に最適な時期などはあるの?
避妊手術は、生後6か月頃が最適と言われています。
理由としては、
- 初めてのヒート(生理)がくるまでに避妊手術をすることで乳腺腫瘍の予防が99.5%できるため
- 生後3カ月未満などの幼すぎる仔犬は全身麻酔をする場合の安全性に欠けるため
などがあります。
乳腺腫瘍を予防できるかどうかは、ヒートの回数が関係してくるので注意してください。(2歳半以降またはヒートの回数が4回以上だと避妊手術による予防効果は0%になってしまいます)
避妊手術のメリットとデメリット
避妊手術には、メリットもデメリットもありますが一番のメリットは子宮や卵巣の病気などを予防できることです。
逆に一番のデメリットは子供がほしくなっても妊娠ができないことです。
もし将来子供がほしいなと少しでも考えられている方は、よく考えてから結論を出すようにしましょう。
メリット① 初回のヒートまでに手術することで乳腺腫瘍の予防ができる
避妊手術は、子宮の病気を予防するだけではなく、乳腺腫瘍(乳がん)も予防できると言われています。
ただし条件があり、可能であれば初回のヒート(生理)が来るまでにおこなうことが重要です。
遅くても初回ヒート後~2回目のヒートがくる前までに行うことで、かなり高い確率で予防することができます。
- 初回のヒートまでに避妊手術をおこなった場合の乳腺腫瘍を予防できる確率:99.5%
- 初めてのヒート後に避妊手術をおこなった場合の乳腺腫瘍を予防できる確率:92.0%
- 2回目のヒート後に避妊手術をおこなった場合の乳腺腫瘍を予防できる確率:74.0%
- 2歳半以降に避妊手術をおこなった場合の乳腺腫瘍を予防できる確率:0%
※ヒート(生理)が来ている間は避妊手術ができないため、ヒートが終了した数週間~数か月後に手術をおこないます。(獣医師さんの考え方によってヒート後どれくらいの期間を開けるかは異なります)
メリット②子宮蓄膿症などの子宮や卵巣の病気を予防できる
わんちゃんの避妊手術はほとんどの場合、子宮と卵巣の両方を摘出します。
そのため、子宮や卵巣自体に起こる病気を100%予防することができます。
- 子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)
- 卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)
動物病院で働いていた時、子宮蓄膿症は高齢のメス犬(7歳以上)にたびたび見かける疾患のひとつでした。
- 子宮蓄膿症はどんな病気?
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子宮蓄膿症は子宮に膿が溜まり、体に細菌の毒素がまわったり子宮が破裂する恐れがある怖い病気です。
緊急性が高くそのまま放置すれば数日で命を落としてしまう可能性の高い病気で、検査をして発覚後はその日のうちに緊急手術することも多いです。
- 卵巣嚢腫はどんな病気?
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卵巣嚢腫とは、卵巣に液体がたまったり、水がたまった袋のようなものが卵巣にできる病気です。
基本的には手術での治療になります。
メリット③ヒートがこない
年に2回のヒート(生理)や発情がこなくなるため、飼い主さんがわんちゃんにおむつをはかせたり、男の子のわんちゃんに気を付けたりなどの管理や、わんちゃん自身のヒートに対するストレスも軽減できると言われています。
メリット④偽妊娠などの症状をなくせる
偽妊娠とは、妊娠していないのに妊娠をしているようなそぶりをするしぐさのことです。
- ぬいぐるみなどを仔犬に見立ててお世話をする
- クッションや毛布を集めたりして巣作りするような行動をする
- 乳腺が腫れたり、お乳が出る
- 普段は温厚な性格なのに攻撃的になる
偽妊娠はホルモンバランスの変化で起こり、個体差があります。
症状が強いわんちゃんの場合は、お乳が出たり、ぬいぐるみを大事そうに持ち運んでお世話をしたりします。
偽妊娠は発情(ヒート)が終わって1~2カ月頃に起こることが多いです。
その後、少しずつ普段の状態に戻っていきますので基本的に治療は必要ありませんが、合併症で乳腺炎を起こしてしまうこともあるためその場合は乳腺炎の治療が必要になります。
デメリット① 子供がほしくなっても妊娠できない
避妊手術を行ううえでの一番のデメリットは、あとから子供がほしくなっても妊娠できないことです。
もし、愛犬の子供がほしいなと少しでも考えている人は、よく考えて納得したうえで避妊手術を行いましょう。
デメリット②手術なため少ないながらもリスクがある
避妊手術はそこまで難しい手術ではありませんが、全身麻酔でお腹を開いて手術をするため、少ないながらもリスクはあります。
そのため、健康に見えているわんちゃんでも事前に血液検査をおこない、数値で健康状態を確認してから避妊手術をする動物病院が多いです。
若いわんちゃんのほとんどは問題がない場合が多いですが、10歳以上の高齢犬や心臓や呼吸器系の持病があるわんちゃんは全身麻酔のリスクが高くなりますので注意が必要です。
デメリット③術後およそ2週間は傷口を舐めないようにするための管理が大変
避妊手術は、基本的に傷口は糸で縫ってあります。
皮膚同士がしっかりとくっつくのがおよそ10日~2週間前後のため、それぐらいの時期までは傷口を舐めないようにエリザベスカラーやエリザベスウェアなどで舐めないように注意しなければいけません。
我が家では、エリザベスウェアを選択しました。
理由は、少しでもテディ(愛犬)の感じる負担を減らしたかったからです。
エリザベスウェアのサイズは当時の体重が20.4kgで、BMサイズで少しゆとりがあるぐらいでした。
動物病院では、テディのサイズ(BMサイズ)は扱いがなかったため、自分で購入して避妊手術当日に持参しました。
大型犬サイズのエリザベスウェアは扱かっていない動物病院も多かったり、もともとエリザベスカラーしか置いていない動物病院もあります。
販売価格が高いところもあるので事前に動物病院に問い合わせておいた方がいいかもしれません。
避妊手術から2週間の間は着せっぱなしでしたが、少しかじられて穴が開いたぐらいでそこから破れが広がることもなかったです。
価格は少し高めの商品ですが、それだけ丈夫でした。
今でも、将来のもしものときのために捨てずに置いてあります。
デメリット④太りやすくなる
避妊手術をすると、太りやすくなると言われています。
理由としては、代謝が落ちてしまうことや、ホルモン(エストロゲン)が減少する関係で食欲が増加する傾向があるからです。
しかし、きちんと食事管理をしていればまず太ることはないと言われていますので、太りやすい傾向になることを理解して体重をしっかりコントロールするようにしましょう。
デメリット⑤ドッグショーに出場できない
意外と知られていないのが、ドッグショーに出場できなくなることです。
ドッグショーは犬種本来のそれぞれの美しさや理想の犬種標準にどれだけ近いかを競うものなので、避妊手術や去勢手術をしたわんちゃんは出場することができません。
一般家庭で育てるわんちゃんはあまり意識しないかと思いますが、もしドッグショーに参加させてみたいと考えられている場合は気を付けましょう。
我が家が避妊手術を選んだ理由
我が家が避妊手術を決めた理由は、やはりメリットが大きいと思ったからです。
動物病院で働いているときに乳腺腫瘍や子宮蓄膿症になってしまったわんちゃんをたくさん見てきたので、避妊手術で予防できるならしたいと思ってました。
また、ゴールデンレトリーバーのなりやすい病気として、ガンがあります。
初回のヒートまでに避妊手術をすることによって、ガンの1つである乳腺腫瘍を予防できるのなら、将来のために手術をしようと決めました。
避妊手術をすると決めたら:手続きから手術までの手順と流れ
避妊手術の基本的な流れを紹介します。
動物病院によっては少し違うかもしれませんが、我が家の流れはこんな感じでした!
避妊手術をしようと決めたら、気になる(手術をしてほしい)動物病院に電話をして、大型犬の避妊手術は可能かどうかと、費用などの気になることを問い合わせます。
※ときどき大型犬の場合は、麻酔や入院施設などの設備の関係で手術ができないと断られることもあります。事前に問い合わせることで大型犬の避妊手術ができる動物病院かどうかも確認できます。
予約は、電話で直接予約ができる場合もあれば事前に診察が必要な場合もあります。
事前に電話で問い合わせたときに説明があるかと思いますので、動物病院の指示に従って予約してください。
こちらは必ず行う動物病院もあれば、任意でおこなっている動物病院もあります。
できれば安全のために血液検査をしておくことをおすすめします。
この事前検査は、手術日当日に一緒におこなう場合もあれば、当日までに済ませておく場合もあります。
(我が家は手術日当日に血液検査をおこない、大丈夫だったのでそのまま入院しました)
手術日当日は、朝から絶食絶水が基本です。
少しかわいそうですが、安全に手術をおこなうために必要なことなので必ず守りましょう。
ほとんどの動物病院はお昼の休診時間中に手術をおこないますので、午前中に動物病院に連れていきます。
説明を受けて、同意書などがあればサインし、そのまま入院です。
このときに、自分でエリザベスウェア(術後服)やエリザベスカラーなどを用意した場合は一緒に預けておきましょう。退院のときに装着しておいてくれます。
その他必要なものは事前に動物病院から説明があると思いますので、忘れずに渡すようにしてください。
また、お会計はこのとき(入院時)に全額する場合と、いくらか内金をいれる場合、退院日に全額支払いする場合の3パターンがあります。
避妊手術は1泊2日の場合が多いですが、動物病院によっては日帰りや、2泊3日のところもあります。
入院中は面談可能の動物病院もありますが、わんちゃんが帰りたくなってしまうことが多いのでさみしいですが可能なら退院までは会わない方がお互いにとっていいかもしれません。
退院当日は、少し元気がなかったり、傷口をすごく気にするかもしれませんがほとんどの場合は2~3日で普段通り元気に過ごしてくれるようになります。
傷口は舐めてしまうと炎症を起こしたり、糸をかみちぎってしまうことがあるため、大丈夫そうでも念のためエリザベスウェアやエリザベスカラーを常に装着するようにしてください。
飼い主さんが見ていないときに舐めてしまい、糸が噛みちぎられてしまうとまた縫い直すこともあります。麻酔を何度もかけることになるので、必ずエリザベスウェアやエリザベスカラーを装着しておいてくださいね。
だいたい10~14日後に抜糸をします。
早すぎると傷口がくっついていなかったり、逆に遅すぎると糸が皮膚に食い込んでしまうので獣医さんが決めた日に必ず抜糸に行きます。
抜糸してすぐは傷口が気になってしまって舐めてしまうかもしれないので、午前中に抜糸をした場合は早くて夕方、午後に抜糸をした場合は次の日にエリザベスウェアやエリザベスカラーを外しましょう。
溶ける糸を使用している場合は抜糸は必要ありませんが、動物病院によっては傷口の確認のために再度来院する必要があります。
抜糸が終わればひと段落です。
飼い主さんもわんちゃんも頑張りましたね!避妊手術おつかれさまでした。
まとめ
我が家のゴールデンレトリーバー(テディ)は避妊手術をすることを選びました。
理由としては、デメリットよりもメリットが大きいと感じたことや、ゴールデンレトリーバーはガンになりやすい犬種なので、ガンのひとつである乳腺腫瘍のリスクを減らしたかったためです。
手術したときは生後6か月、現在は1歳2か月ですが特に手術前と変わった様子はなく、性格も変わりませんでした。
ヒートも来ないので、お散歩中に男の子わんちゃんを気にする必要もありませんし、テディ自身もヒートや偽妊娠のわずらわしさやストレスを感じずに済んでいるので、我が家では手術をして良かったです。
避妊手術をどうしようかなと考えている飼い主さんの参考になれば嬉しいです♪