こんな問題で困っていませんか?
- 最近お漏らしが増えた
- トイレが間に合わない
飼い主さん愛犬が高齢になるにつれて、最近トイレの失敗が増えて困っています…
何か対処法があれば教えてほしいです。



元動物看護師のさわです。
今まで大丈夫だったのに、ある日尿もれやトイレの失敗が続くと心配になりますよね。今回は、原因と家庭でもできる対策をお伝えします!
老犬が急にトイレを失敗する主な原因
シニア犬がトイレを失敗するようになる主な原因
①筋力の低下で間に合わない
年齢を重ねるにつれて、同じ運動量をこなしていても少しずつ筋力は落ちてきます。
尿もれや便失禁などのトイレが間に合わない原因のひとつに、骨盤底筋群の衰えがあります。
この骨盤底筋群は、見た目では筋肉が落ちていると気づきにくい場所にある筋肉なので、少しずつ衰えてきていたとしても気づかずに、ある日突然尿もれが始まったと感じてしまいます。
そのため、骨盤底筋群を鍛えることで尿もれや便失禁が改善する場合があります。
ただ、なかなか鍛えるのが難しい部位でもあります。



人間の場合は、骨盤底筋群を鍛える体操(お尻の穴をキュッと閉めて数秒間キープするなど)がありますが、わんちゃんには難しいですよね…
骨盤底筋群だけをピンポイントで鍛えるのはわんちゃんでは難しいですが、下半身全体を使う体操・フィットネスをすることで骨盤底筋群を含めた下半身全体の筋肉を鍛えられます。



実は、わんちゃんは上半身と下半身では、上半身の方が体重がかかって負荷の割合も大きいので、下半身は衰えやすいんです。
なので、上半身はお散歩などで自然と鍛えられていることも多いですが、下半身は意識してトレーニングしないと年齢を重ねるごとにどんどん筋肉が落ちてきます。
下半身の筋肉が落ちてくると、筋力が減り踏ん張りがきかなくなったり、ぷるぷるしたりなどの症状が出てきます。
- トイレでしゃがんだ時、後ろ足がぷるぷるしている
- 下半身を触った時に上半身と比べて肉付きが少なく感じる
- お散歩の時後ろ足がもつれることがある
もし上記のような症状がある場合は、筋肉が落ちてきているかもしれません。
そこで簡単にできる下半身を鍛える運動を紹介します。
- スクワット
- 上り坂・でこぼこ道散歩
- バランスディスクトレーニング



どれも下半身だけでなく、骨盤底筋群にも効果があります。
スクワット


わんちゃんのスクワットは、おすわりと立つを各5秒ごとにゆっくり繰り返します。
ゆっくり繰り返すことで、軽い負荷でも高い筋肥大効果と筋力向上が期待できます
おすわり→立つを1サイクルとして、5回を目標に繰り返します。
連続でなくても構いませんが、1日のうちで3〜4セットぐらいできると良いでしょう。
このときにおやつを使っても構いませんが、太ってしまうと下半身への負担が増えてしまいますので、小さなかけらおやつにしたり、与える回数を調整してくださいね。
まだ慣れていないときや、足がぷるぷるしたり、しんどそうにしているときは少ない回数でチャレンジして、無理しない範囲で鍛えてくださいね。
上り坂・でこぼこ道散歩


上り坂・でこぼこ道散歩はその名の通り、お散歩コースに上り坂や舗装されていない道を積極的に取り入れるトレーニングです。
お散歩が好きなわんちゃんや、スクワットやバランスディスクを教えるのが難しいわんちゃんにおすすめな方法です。
上り坂では、平地よりも腹筋、お尻、太ももを強く使うため、それに連動して骨盤底筋群にも自然と負荷がかかります。
ゆっくり歩くのもよし・軽く走ってみるのもよし、愛犬の状態や体調を見ながら、程よく疲れるぐらい取り入れましょう。
バランスディスクトレーニング
バランスディスクレーニングは、少しバランスの悪いディスクの上に乗って体幹を鍛えるアイテムです。
バランスディスクトレーニングは、専用のバランスディスクの購入が必要ですが、インナーマッスルに効果が高いトレーニングを行うことができます。
参考までに…だいたい3000円〜1万円ぐらいで購入できます
1日5分ほど、前足または後ろ足を乗せてトレーニングを行います。
初めて使用する場合は嫌がってなかなか乗ってくれないと思いますので、空気の入れる量を少なくし、おやつを使って慣らす練習から始めてくださいね。
バランスディスクは下半身の筋力アップにとても効果的ですが、最初は慣らす練習が必要であったり、バランスディスクを購入しないといけないなどのデメリットもあります。



ちなみに…愛犬が使ってくれなかったら人間の使用も可能なので、最悪の場合は飼い主さん用のフィットネス器具として使うのもありですよ🫣
②トイレの場所が遠い・段差がきつい


若い頃は問題なかった距離や段差でも、老犬にとっては大きなハードルになることがあります。
- 寝床からトイレまでが遠い
- フローリングで滑る
- トイレまでに段差がある
- トイレの縁を乗り越えるのが辛そう
以前はきちんとできていたのに急に失敗が増えた場合、忘れて”できなくなった”のではなく、”環境が今の体に合っていない”可能性のせいで失敗するようになっているかもしれません。
また、寝起きは足腰がこわばりやすく、もたもたしているうちに漏れてしまうこともあります。
心当たりがある方は、生活スペースの環境を見直すことで、トイレの失敗をぐんと減らせる可能性がありますよ!
- トイレを寝床の近くに設置する
- トイレの数を増やす
- トイレまでの段差をなくす
- 滑り止めマットを敷いて移動しやすくする



環境を少し変えるだけで改善するケースもあります。
叱る前に、まずは動線を見直してみてくださいね!
③認知機能の低下


高齢になると、人と同じように認知機能がゆるやかに変化していくことがあります。



平均寿命がどんどん伸びている現在は、犬の認知症は珍しくありません。
- 昼夜逆転している
- 同じ方向に部屋をぐるぐる回る
- 夜鳴きが増えた
- 目がうつろ
- 呼んでも反応しないことが増える
- ぼーっとしていることが増える
- トイレの失敗が増える



上記の症状が複数当てはまる場合は認知症の可能性があります。
念のため動物病院で診察を受けることをおすすめします。
認知機能が低下すると、トイレの場所がわからなくなったり、トイレをトイレだと認識できなくなります。
こうした変化が出てくると、「トイレでしよう」という意識そのものが弱くなってしまうことがあります。
認知症は早めに対策を取ることで、進行をゆるやかにできる場合もあります。
④膀胱や腎臓のトラブル


急にトイレの失敗が増えた場合、病気が隠れていることもあります。
- 膀胱炎
- 尿路結石症
- 糖尿病
- 腎臓機能の低下
- ホルモンバランスの変化 …など
また、こんな症状がある場合は、早めの受診を検討しましょう
- ぽたぽたとおしっこが漏れている感じ
- 頻尿
- 血尿
- 水を異常にたくさん飲む
- 元気がない



頻尿などの症状がある場合、ほとんどの動物病院で尿検査をすると思いますので、念のためおしっこを持っていくと検査がスムーズにできます。
「老化かな」と思っていたら病気だった、というケースも少なくありません。
逆に、病気がないとわかれば安心して環境改善に集中できます。
迷ったら、一度動物病院に相談してみるのがおすすめです。
家庭で見直してほしいポイント・大切なのは環境を整える
今までトイレができていたのにできなくなったのは、年齢を重ねて「今の環境が少し合わなくなっている」ことも少なくありません。
家庭の環境を見直すことで、トイレの失敗を改善できる可能性も十分あります。
まずは、家庭で見直せるポイントから整えてみましょう。
- トイレの数と場所
- 動線に負担はないか
- トイレのサイズ
- 叱らない・焦らない
①トイレの数と場所
普段愛犬がよく過ごしている場所や寝床から、トイレが遠くありませんか?
特にシニア期は「間に合わない」ことが増えます。
よく過ごす場所の近くにトイレを増やすだけで、成功率が上がることもあります。
1か所にこだわらず、「失敗しにくい配置」に変える柔軟さも大切です。
②動線に負担はないか


フローリングで足が滑っていたり、トイレに向かうまでに段差や狭い通路はありませんか?
足腰が弱ってくると踏ん張る力が弱くなり、今まで大丈夫だったフローリングでも滑って歩きにくく感じている場合があります。
踏ん張る時に力が入って漏れてしまったり、歩きにくいと感じてトイレに行くのをためらうわんちゃんもいます。
滑り止めマットを敷く、段差をなくす、トイレの縁を低くするなど、小さな工夫で失敗を改善できる場合がありますよ!


③トイレのサイズ


トイレの理想サイズは、体の長さの1.5倍〜2倍と言われています。
今まで小さいトイレサイズでも問題なかった場合でも、方向転換がゆっくりになったシニア犬の場合には、トイレが窮屈に感じることがあります。
今使っているトイレの大きさがこれよりも小さい場合は、一つ上のサイズに(レギュラーならワイド・ワイドならスーパーワイドなど)大きさを変更しましょう。
愛犬に今まで通り完璧を求めなくても大丈夫です。
トイレに行く意思があるようなら、トイレをトイレと理解している証です。
なるべく成功率が上がるように、トイレトレイの周りで失敗してしまう場合は、周囲にもペットシーツを敷くことでお互いにまた失敗した…と感じるストレスを減らすことができます。
④叱らない・焦らない


失敗が続くと、つい怒ってしまったり、イライラしてしまうことってありますよね。
でも老犬にとっては、「なぜ怒られているのか」が理解できない場合もあります。
特に今までできていたのに失敗する場合は、成功したいのにできない場合がほとんどです。
飼い主さんを怒らせたいから失敗しているわけではないんです。。
叱られることで不安が強まり、どうしていいのかわからなくなってさらに失敗が増えることも。
- 成功したときにしっかり褒める
- 失敗は静かに片付ける
この繰り返しがとても大切です。
老犬になっても、飼い主さんのことが大好きなのはずっと変わりません。
老犬との暮らしは、「完璧を目指す」よりも「安心できる環境を整える」ことが大切になってきます。
失敗は、サインです。
責めるためではなく、愛犬との生活や環境を見直すためのひとつのサイン。
お互いにストレスやイライラを溜めないためにも、妥協は大切です。
しつけをし直すのではなく、失敗しにくい環境を整えてあげることが何より大切だと私は思います。
オムツはかわいそう?実際使ってみた感想


- オムツってかわいそうかな…
- 老犬なのにそこまでさせるのはどうなんだろう
そう感じる読者の皆さんの気持ち、よくわかります。
私は元動物看護師で、動物病院でたくさんのシニア犬の飼い主さんと関わりました。



実際に動物病院でもこう思っている飼い主さん、とっても多かったです。
なんとなく罪悪感がある気持ち、よくわかります。
でも、実際は
- 意外と本人は気にしていなかった
- 失敗して怒られるより穏やかになった
- 飼い主のストレスが減った
- 掃除の負担が減った
オムツにして良かったと思えることがたくさんあり、飼い主さんと愛犬のストレスが減っているように思える事例が多かったです。
- サイズをきちんと合わせる
- こまめに交換する
- 蒸れないようにチェック
- 必要な時間だけ使う



オムツをつけることに対しての不快感を最小限に抑える努力は飼い主さんの役目です。
市販の犬用オムツは便利ですが、毎日使うとなるとコストが気になりますよね。



私が働いていた動物病院では、人間用オムツをアレンジして使用していた実績があります。
実際にたくさんのわんちゃんに試してもらい、作り方もとても簡単です。
写真付きでまとめた記事がありますので、気になる場合はそちらの記事も見ていただけると嬉しいです!
\ コスパ重視で簡単に作りたい方はこちら /


\ 男の子用の作り方はこちら /


- かわいそうだと犬自身は感じていない
- オムツにはメリットがたくさんある
- ずっとつけておくのに抵抗がある場合は必要な時間だけでも良い
- 犬が穏やかならそれが正解
- 介護は完璧じゃなくていい、オムツに頼るのは悪ではない
叱るよりも環境づくりが大事な理由


トイレの失敗が続くと、どうしても気持ちが焦りますよね。
でも老犬の場合、失敗の多くは「わざと」ではありません。
筋力の低下や認知機能の変化、体の不調など、自分でもコントロールしづらい理由が背景にあります。
ここで叱ってしまうと、
- 不安が強くなる
- 排泄自体を我慢してしまう
- 飼い主との信頼関係が揺らぐ
といった悪循環に入ることもあります。
大切なのは環境づくり
トイレの失敗を減らすために飼い主さんができること
- トイレを寝床の近くにする
- トイレを大きくする
- トイレの数を増やす
- 段差などに気をつける
- オムツを活用する
トイレを失敗しにくい環境に整えることで、
- トイレの失敗が減る
- 愛犬のストレスが減る
- 飼い主の心にも余裕が生まれる
結果として、犬も人も快適になります。
老犬との暮らしは、「できるようにさせる」よりも「できる環境にしてあげる」ことが大切です。
失敗は、叱るサインではなく、“今の体に合わせてほしい”というメッセージです。
飼い主さんも愛犬もストレスない毎日を送るために、今の生活にあった環境を整えてあげましょう。
まとめ
老犬のトイレ失敗が増えると、不安になりますよね。
でもその多くは、老化による自然な変化や体のサインです。
- 筋力や認知機能の低下
- 今の環境が今の愛犬には合っていない
- 病気の可能性
原因を知り、環境を整えてあげることで失敗はぐっと減らせることがあります。
そして何より大切なのは、「できなくなったこと」を責めるのではなく、「今できる最善」を探すことです。
どうしても難しい場合はオムツに頼る方法もあります。
老犬との時間が、できるだけ穏やかであたたかいものになりますように。
\ 他にもシニア犬に役立つ記事を執筆しています! /







